会場計画 (GT 1997/3月号) |
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2000年の万国博覧会EXPO 2000 Hannoverの大きな特徴のひとつは従来の博覧会のように更地を新しく開発するのではなく、既存のハノーファー見本市会場を使用し、博覧会後も引き続き見本市会場として、およびその他の機関として使用されることだ。また、博覧会のテーマ「人、自然、技術」にふさわしい会場となるよう、土地開発は最小限に押さえ、環境にやさしい建築材料を使用、エネルギー消費や廃棄物処理を充分に考慮していくべく計画されている。
万博の会場はドイツニーダーザクセン州都ハノーファー市の中心街から南へ約8kmばかりに位置し、敷地面積は約170ヘクタール、そのうち約90ヘクタールが現在の見本市会場となっている。
ハノーファー万博公社EXPO 2000 Hannover GmbHは見本市会場の持ち主であるドイツメッセ株式会社Deutsche
Messe AGおよび、その他の会場予定地<クローンツベルク地域>の持ち主であるエキスポ土地会社EXPO Grund GmbH(ニーダーザクセン州およびハノーファー市が出資)の両者から、万博開催のため敷地および施設を借りることになる。見本市会場にはすでにホールが立ち並んでいるが、その内のいくつかは新築や改築される予定で、クローンツベルク地
域には各国のパヴィリョン、エキスポプラザなどが建設される予定。
この広大な会場の計画は1992年のコンペで選ばれた地域開発構想をもとに進められ、現在すでに存在する建物および計画中の建物や屋外施設が碁盤状に建設される。その中心となるのがエキスポ通りEXPO-Allee
と5本の緑豊かな並木道、各国パヴィリョン用敷地、エキスポプラザ、各国参加用ホール、テーマパーク用ホールなどで、特にエキスポ通りは並木道
Baum-Allee とも呼ばれ、利用者が一番多く見込まれているメインの入り口(西口)と、情報とエンターテイメントの発信地エキスポプラザを結ぶ、会場の中心となる通りになる。
会場内のホールは参加各国の展示区域、イヴェント区域、テーマパーク区域と、3つに分けられる。テーマパークは8/9、11、12、13ホールで行われ、国の展示やイヴェントについては順次決められていく。
すでに新築された2号館、4号館、26号館以外に、新たに8/9、13号館および倉庫が新築される予定で、その他 11、12、14、15号館が増改築される予定で、これらのホール建築、増改築には約60億マルクが投資され、エキスポ社とドイツメッセ会社が半分ずつ負担する。
各国のパヴィリョンには、西側に6万6000平方メートル、東側に11万4000平方メートルの敷地が用意される。西側には博覧会開催中のみ使用されるパヴィリョンが建設され、博覧会後にはドイツメッセ会社がこの敷地を駐車場および展示ホール用に使用する。それに対し東側は一時的ではなく、博覧会後も利用されるパヴィリョンに割り当てられる。
エキスポプラザは会場の中でも最も多くのヴィジターが訪れる、万博の 中心となる建物で、その一角にあるアリーナではさまざまな文化イヴェントが開かれ、国連やEU(欧州連合)などの国際的な機関やホスト国のドイツもここに席を置く予定となっている。
エキスポプラザ以外にもうひとつイヴェントの中心となるのが、万博のた めに即席に人工湖となるヘルメス湖で、湖中にはヘルメスタワーが立ち、ほとりではスポーツ、カルチャーなどさまざまな分野のイヴェントが催される。
このように、既存の見本市会場を生かして博覧会にふさわしい場所を造り上げるべく、豊富なアイデアと企画が実現に向けて検討されている。
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