ハノーファー万博 2000年
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  ワールドワイドプロジェクト 万国博覧会の歴史 ハノーファー
       
       
ツーリズム計画と入場券 (GT 1997/5月号)
 
2000年に開催される万国博覧会EXPO 2000 Hannoverでは、世界各国から約2000万人のヴィ ジターを期待している。ヴィジターの半分にあたる約 1000万人がドイツ国内から、約800万人がヨーロッパ各国から、そして約200万人がその他諸外国からの訪問者であると予想されている。これは前回のセ ヴィリャ博を含めた過去の博覧会に比べ、国外からのヴィジターの割合が大きく、より国際的な博覧会になると期待されていることを示している。多くの人々が新しく魅力的な体験型の万博を楽しむため、日帰りではなく2日間以上会場を訪れることが予想され、平均するとその数はヴィジターの約2人に1人の割合となり、延べ約4000万人の訪問が見 込まれる。

ハノーファー万博のインフォメーション ネットワークを国際的に広げるた め、万博公社は各国のドイツ大使館、ドイツ領事館、ドイツ商工会議所、ドイツ観光局、ゲーテインスティトゥート(公立ドイツ語学校)など様々なチャンネルに協力を要請しており、各機関はそれに応えて情報の提供などを行っていく予定だ。

また公社は現在世界各国の旅行会社と提携し、販売情報ネットワ ークを構築している。このネットワークを通して各国での入場券や関連ツアーを販売、万博やハノーファー他のドイツ観光情報提供などのサービスを行う。提携先の旅行会社はセールスエージェントと呼ばれ、各国の旅行業界を担当して各旅行会社や旅行代理店、航空会社の活動を支援し、万博公社の指示のもとに マーケティングおよび宣伝活動を行う。

ヨーロッパ各国はもちろんのこと、日本やアメリカを含めた約60ヵ国にすでにこのセールスエージェントが設立されている。万博公社は引き続き候補社を検討中で、さらに多くの国でセールスエージェントが誕生するであろう。

ドイツ国内はSTARTシステム、インターナショナルにはAMADEUSシステムでネットワーク化されることが決定し、旅行会社、旅行代理店はこのシステムを通じて入場券の予約、売買を行うことになる。ネットワーク化により、ドイツ国内約1万6000店で、そして世界約100ヵ国の様々な旅行会社、旅行代理店で販売活動が行われる。

入場券はこのようにセールスエージェントおよびSTARTやAMADEUS を備えた旅行代理店で販売される他、「コールセンター」からのサービスも検討されている。電話でエキスポ2000の入場券を購入したり、情報を入手することを可能にするホットラインのことで、ドイツ語の他いくつかのヨーロッパの言語、そして日本語でも24時間体制でサービスを提供することが計画されている。

輸送に関しては、ルフトハンザおよびドイツ鉄道の2社がオフィシャル キャリヤとして決定し、エキスポ支援の準備を整えている。また、約8000の旅行エージエンシーがすでにエキスポ公社に協力して活動している。また、アジアからのヴィジターの中心となると期待されている日本では、約 40万枚の入場券が見込まれる。販売活動が始まる1998年からは、ハノーファー万博についてのイヴェントやプロモーションを日本でも確実に見かける機会が増えるであろう。団体および個人の一般入場券の前売り販売は来年6月1日から世界各国で開始される。

公社では、できる限り入場券を前売りで販売する予定で、その目標値は90%。当日券売り場の混雑・混乱を避け、限られた万博会場の収容能力に適応したヴィジターを迎え入れることができるよう、チケット販売をコントロールするのが狙いだ。

さらに交通の混乱を避けるため、電車やバスの乗車券や駐車場券などと一緒になったコンビチケットが導入される予定。万博公社はヴィ ジターのアクセス方法を事前にある程度調整することができる。

人口約50万人のハノーファー市に毎日約30万人、多いときはハノーファーの人口に匹敵する人々が万博に訪れるとされており、どのように混乱を避けてスムーズに事を運ぶかは大きなテーマのひとつとなっている。

発行される入場券の種類は大きく分けると一日券、半日券、数日券、イヴェント券で、それぞれ一般、学生、子供、高齢者、障害者、団体などに対応する。標準的な入場券は基本的にすべて上に述べたコンビチケットになる予定。たとえば、会場隣接の駐車場券、市内公共交通機関チケット、市内駐車場利用券およびシャトルバスサービス利用券などの組み合わせが検討されている。

万博公社はすでに1996年から入場券交換のための「予約クーポン」を販売している。マスコットとロゴが印刷されたカラフルなクーポンで、CDほどの大きさのエキスポ特製ケース(紙製)に入っており、1枚75マルク。入場券の販売が始まる1998年6月1日以降、各提携旅行会社や旅行代理店で入場券と交換できる。すでに多くの問い合わせと注文が来ている。

入場料がもたらす収入は平均して1枚あたり40マルクと見られ、売り上げ総額は16億マルク、万博公社の全収入見込みの約半分という。チケット販売ひとつとってみても、さまざまな混乱を避けて万博が順調に開催されることをも考慮しながら、販売目標を達成すべく、多方面で努力されていることがわかる。